クリアで涼しげなアイスティーは、おもてなし紅茶にも最適ですね。アイスティーにはいくつかの淹れ方があり、それぞれの長所があります。今回は「オンザロックス方式」「ダブルクーリング方式」「水出し方式」の3つのアイスティーの作り方を詳しくご紹介したいと思います。アイスティーにぴったりのおすすめ紅茶も合わせてご紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね。
アイスティーの誕生はアメリカ?
それまで「お茶=熱い飲み物」というイメージしかなかった紅茶に、冷たくして飲む文化を誕生させたのは、意外にもアメリカでした。1904年の夏にセントルイスで開かれた万国博覧会でのことです。とある茶商が会場で紅茶の販売をしていた所、熱い季節に熱い紅茶はまったく売れず困っていました。やけになった茶商は目に止まった氷を、思い切って熱い紅茶に入れて冷たい紅茶を振舞いました。それが瞬く間に売れ大評判に。それがきっかけとなり、アイスティーはアメリカ全土に広がり、世界中でも飲まれるようになったといわれています。なんと今では紅茶全体の消費量の85%がアイスティーで飲まれているとの調査結果も出ているとのこと。茶商の機転で誕生したアイスティーは、暑い季節はもちろん、すっきりと手軽に飲める紅茶として一年中通して人気の飲み物になりました。
アイスティーが濁る“クリームダウン現象”とは?
アイスティーを作る時に、時々白く濁って見えることがありませんか?これは「クリームダウン」と呼ばれ、紅茶の成分のタンニンとカフェインが冷やされることで起こる現象です。アイスティーの美味しさは、見た目の美しさも大切な要素のひとつです。クリームダウンを防ぐには、タンニンの少ない茶葉を選び、蒸らし時間を少し短めに、しっかりと急冷するのがポイントです。
アイスティーに向いている紅茶は、ダージリン、ディンブラ、キャンディ、フレーバーティーなどです。逆にアッサム、ウバなどはタンニンが多いため、クリアなアイスティーを作るのは難しいでしょう。もし、アッサムやウバでアイスティーを作りたい場合は、水出し方式やミルクを入れて楽しむのがおすすめですよ。
美味しいアイスティーの作り方①オンザロックス方式
オンザロックス方式は、熱い紅茶を氷をたっぷりいれたグラスに直接注いで作るアイスティーです。急激に冷やすため香りが飛びにくく、紅茶本来の味を楽しむことができます。グラス一杯から作ることができ、またすぐに飲むことができるので急な来客時にときにもおすすめです。
オンザロックスの作り方/グラス2杯分
- 通常のホットティーの2倍の濃さの紅茶を淹れる。温めたティーポットにティースプーンで4杯(10g)の茶葉を量り入れる。
- しっかり沸騰させた熱湯を、ホットティーの時の半量(320㏄)注ぎ、蓋をして茶葉を蒸らす。蒸らし時間は通常よりもやや短めの2分くらいを目安に。
- 茶こしを使って別のポットに移し替える。最初から甘みをつけたい場合は、ここでグラニュー糖を加え、よく混ぜて溶かす。
- グラスに砕いた氷をたっぷりといれ、その上から2倍の濃さのホットティーを注ぎ、一気に冷やす。もし、氷が溶けてすくなかったらさらに氷を足す。
美味しいアイスティーの作り方②ダブルクーリング方式
ダブルクーリング方式は、オンザロックス方式で作ったアイスティーから氷を取り除き常温保存できる作り方です。夏でも半日程度の常温保存が可能で、飲むときは氷をいれたグラスに注ぎ冷やします。紅茶の味わいをしっかり楽しみつつ、たくさん飲みたい時などにおすすめです。
ダブルクーリングの作り方
- オンザロックス方式と同様、2倍の濃さのホットティーを作る。温めたティーポットにお好みの茶葉を入れ、ホットティーの時の半量の熱湯を注ぎ蓋をして蒸らす。蒸らし時間はやや短めの2分が目安。
広口の容器(ボウルでも可)にたっぷりと氷を入れ、茶こしで茶葉をこしながら一気に注ぐ。ざっとかき混ぜて急冷する。
手早く氷を取り除き、別のティーポットに移し替える。このまま半日位常温保存できる。
※このまま冷蔵庫に入れるとクリームダウンしてしまうので、注意しましょう。
美味しいアイスティーの作り方③水出し方式
水出し方式は、水の中に茶葉を入れてゆっくり抽出する方法です。他の淹れ方と違い熱湯を使わずに作るので、濁りのないクリアなアイスティーを作ることができます。時間はかかりますが、手間がかからず大容量のアイスティーを簡単に作ることができます。暑い夏場や、さっぱりしたアイスティーが好みの方にもおすすめです。
水出し紅茶の作り方
- 蓋つきのピッチャーやガラス容器などに水を入れる。
- 水の中にティーバッグを入れ、少し振る。
- 常温で2~3時間待てば完成。ティーバッグを引き上げ、冷蔵庫に入れて保存する。最初から冷蔵庫で作る場合は、ティーバッグを入れた時点で冷蔵庫に入れ8時間位かけてゆっくり抽出する。(前日の夜に作るのがおすすめです)
- どちらも24時間以内に飲み切るようにしましょう。
▼水量とティーバッグの目安(ティーバッグ2gの場合)
・500㏄-2~3個
・750㏄-3~4個
・1L-4~5個
※リーフタイプかブロークンタイプでも変わってきます。
出来上がりの味をみて、好みの量に調節してみてください。
水出し紅茶の注意点
基本的にはどんなティーバッグでも問題ありませんが、お子様や身体の弱い方が飲む場合は水出し専用のティーバッグを使うのがおすすめです。水出し専用のティーバッグは熱殺菌がされているので、熱湯を使わずに入れる水出しでも安心して飲むことができます。最近では色々な種類も増えているので、好みの紅茶を探してみるのも楽しいですね!
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ウェッジウッド/マハラジャダージリン
フォション/アールグレイ
北欧紅茶/アールグレイスペシャル
フォートナム&メイソン/フレーバーティーピーチ
TWG/1837 Black Teaアイスティーコレクション
マリアージュフレール/マルコポーロルージュ
まとめ
美しいアイスティーは見た目も涼しげで、おもてなしにもぴったりの紅茶です。用途によってアイスティーの作り方を選べば、手軽に美味しいアイスティーがいつでも味わえます。ティータイムや食事などあなたのお気に入りの紅茶でアイスティーを楽しみましょう!
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