美味しい紅茶が手軽に入れられるティーバッグは、忙しい朝や仕事の合間など時間がないときにも便利ですよね。熱湯を注いで数十秒で抽出できるように作られていていたり、最近では茶葉にこだわったリーフタイプのものも多く見かけます。
そんなティーバッグですが、正しい入れ方をご存知でしょうか?今回は意外と知らないティーバッグの美味しい入れ方や歴史、素材や形の種類、美味しく入れるポイントなどを詳しくご紹介したいと思います。
ティーバッグとは?
ティーバッグは紅茶の茶葉を小さな袋に入れたもので、茶こしを使わずに紅茶を抽出できるようになっています。リーフティーのように茶殻の始末がないので、手軽に紅茶を楽しめるのがいいですね。ティーバッグのことをティーパックやティーバックと言われる方もいますが、「ティーバッグ(teabag)」が正しい名称です。
ティーバッグ誕生の歴史
ティーバッグの原形といわれているのは、19世紀末イギリスで考案された、一杯分の茶葉をガーゼで包み四隅を糸で縛った「ティーボール」といわれています。
その後20世紀初頭、アメリカの茶商トーマス・サリヴァンが茶の見本を小売業者に送る際、絹や木綿の小袋に詰めて送ったところ好評で、ティーバッグを商品化し販売しました。これが実用的なティーバッグの誕生といわれています。
その後、アメリカでろ紙が開発され、ヒートシールによるシングルティーバッグが広まりました。また、ドイツでろ紙をW形に折り込んで閉じるダブルティーバッグが開発されたことがきっかけとなり、ティーバッグは急速に世界中に普及していきました。
イギリスのティーバッグ事情
紅茶大国のイギリスでは、1960年頃からティーバッグの販売が始まりました。しかし、伝統を重んじるイギリス人にはティーバッグは邪道とされ、当時はまったく認知されませんでした。しかし、時代とともにティーバッグの進化や普及によりイギリスでも徐々に浸透していき、今ではなんとイギリスで消費される紅茶の90%がティーバッグといわれています。
最初は敬遠されていたティーバッグも、その手軽さと美味しさを実感し、今ではイギリスはもちろん世界中で愛飲されています。
イギリスが誇る紅茶ブランドはこちらの記事でご紹介しています。
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ティーバッグの種類
ティーバッグの形や素材も、紅茶の香りや美味しさを追求し年々進化を遂げています。ティーバッグの形や素材は、茶葉の抽出力にも大きく影響します。市販されているティーバッグの種類を、形や素材別に見ていきましょう。
ティーバッグの形
▼テトラ型
テトラ型はピラミッド型ともいわれていて、三角錐状になっています。最近ではこのテトラ型のティーバッグも多くなってきましたが、最大のメリットはお湯の中に入れた時に茶葉が広がりジャンピングしやすいところです。そのため、このタイプのティーバッグに使われている茶葉はリーフタイプが多く、香りや味わいをより楽しむことができます。
▼スクエア(長方形)型
スクエア(長方形)型は、昔からよくあるティーバッグの定番の形です。平たい形状なので茶葉はジャンピングできませんが、短時間でしっかり抽出できるよう細かな茶葉が使われています。香りはあまり強くありませんが、しっかり紅茶液を抽出できるのでそのまま飲むのはもちろん、お菓子やパンの材料として使うのにも便利です。
▼巾着型
巾着型はガーゼ素材のティーバッグによくあるタイプの形です。マリアージュフレールのティーバッグはこちらの巾着型が使われていて、見た目の可愛さからとても人気の商品です。ガーゼにしっかりと包まれているので、茶葉のジャンピングに関しては適していませんが、演出効果は高いですね。
▼その他の型
その他にも紅茶ブランドやメーカーによって、様々なティーバッグの形が作られています。例えば、平たい円形のものやピロー型などがあります。ピロー型のティーバッグは、主に業務用として利用されています。ペーパーフィルターに5~25gほどの茶葉がはいっていて、通常のティーバッグよりも大きく一度に大量の紅茶を入れることができます。
ティーバッグの素材
▼紙素材
紙素材は安価なティーバッグによく使われています。紅茶の抽出性は低く、粗悪なものは熱湯を注ぐと素材のにおいが気になることもあります。また、漂白剤を使っているものは紅茶の繊細な香りの邪魔をするので、無漂白のものがおすすめです。
▼不織布
不織布とは、繊維を織らずに組み合わせたシート状のもので、ティーバッグ素材の他にもコーヒーフィルターなどに使われています。ペーパー素材に比べて抽出力も優れています。こちらも無漂白タイプを選びましょう。
▼ソイロンメッシュ
ソイロンメッシュは、トウモロコシなどのデンプンから作られている素材です。紅茶の抽出性も高く素材のにおいもないので、紅茶の繊細な香りや味も楽しむことができます。また、土に還る素材であるなど環境にも優しく、安全性の面からも人気の素材です。
▼ナイロンメッシュ
ナイロン素材で作られたティーバッグで、ソイロンメッシュよりも全体的にハリと光沢があります。紅茶の抽出性が高いのが特徴です。しかし熱湯によってプラスティックのにおいが気になったり、成分が溶け出すなどニュースでも問題になっていましたね。事実は分かりませんが、気になる方は水出しアイスティー用として使うのがおすすめです。
▼ガーゼ・コットン
ガーゼやコットンを使ったティーバッグは、海外のティーバッグでよくみかける素材のひとつです。におい移りが少なく、紅茶の香りを楽しめるのでフレーバーティーに適しています。ひとつひとつ丁寧に手で包んで作られているため、特別感もありますね。カップで抽出しながら見て楽しむことができるので、おもてなしの時にもおすすめです。
ティーバッグを美味しく入れるための4つのポイント
ティーバッグで美味しい紅茶をいれるためには、いくつかのポイントがあります。これを守るだけでぐんと美味しさが増すので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
中身の茶葉の形状を確認する
一言でティーバッグといっても、最近では商品も多様化しています。ティーバッグ=短時間で抽出できるというイメージもありますが、中にはグレードの大きなリーフティーが入っているものもあるので、その時はポットで淹れる時と同様しっかり蒸らし時間をとりましょう。また逆に、短時間でしっかり抽出できるCTCタイプなどもあるので、まずはパッケージに書かれている蒸らし時間を参考にいれてみてください。
ティーバッグはひとつでカップ1杯分
1杯目をいれた後、まだ色が出るからといって2杯、3杯も同じようにお湯に浸して飲んでいるという方もいらっしゃいますが、ティーバッグはひとつでカップ1杯分が基本です。水色は出ても、香りや味のない色付きお湯と同じなので紅茶本来の美味しさは楽しめません。また、やむをえず1袋で2杯分入れる時は、ポットを使って長めに蒸らしてください。1つのティーバッグを2個のカップに交互にふりながらいれるのはやめましょう。
ソーサーでふたをしてしっかり蒸らす
ティーバッグに熱湯を注いだらソーサーなどでふたをして蒸らします。時々、熱湯を注いですぐにティーバッグをふる方がいますが、それでは味はでません。紅茶はティーバッグでもポットでいれる場合でも、茶葉を蒸らすことで紅茶の美味しさが引きでます。忙しい時でも焦らず、蒸らし時間を守りましょう。
蒸らし時間が終わったらそっと引き上げる
ティーバッグを取り出すときにもポイントがあります。ついスプーンの背で押したりヒモを巻いて絞ってしまいがちですが、それでは紅茶のいやな渋みや苦みが強く出てしまいます。蒸らすことで紅茶はしっかり抽出されているので、そのまま静かに引き上げるだけで大丈夫です。
ポットに負けないティーバッグの美味しい入れ方
ティーバッグを使って紅茶を入れる時のコツは、カップで入れる時も、ポットで一度に入れる場合も、基本はやはりゴールデンルールを守ること。それだけでポットに負けない豊かな香りとコクを楽しむことができます。
ティーバッグの美味しい入れ方
- ティーカップを湯通しして温める。温めたカップに沸騰したての熱湯を注ぎ、ティーバッグを入れる。(1杯分の湯量は150~160mlが目安)
- ソーサーなどでふたをして蒸らす。ふたをすることで香りを逃がさず、しっかり蒸らすことができる。蒸らし時間は商品によって異なるので、パッケージの表記を確認する。
- 時間がきたらティーバッグを軽く振って、静かに引き上げる。強く振りすぎたりスプーンで押しつぶしたりすると渋みが強くなるので注意する。
※ポットで入れる場合も、同様に温めたポットに杯数分の熱湯とティーバッグを入れふたをして蒸らす。
これで香り高くおいしい紅茶の出来上がりです。お好みで砂糖やミルク、レモンを添えて召し上がってください。
まとめ
手軽に紅茶を楽しめる便利さが魅力のティーバッグ。入れ方次第で、ポットにも負けない美味しさを味わうことができます。ティーバッグの形や素材、美味しく入れるためのポイントを守って、忙しい時でもティータイムを楽しみましょう!
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